

愛知県視察
令和7年7月20日~21日
7月20日は、愛知県西尾の羽佐田さんのところへ
毎年、何かしら挑戦する羽佐田さん。今年もいろいろな取り組みについて伺ってきました。
・今年より民間販売が解禁される『あいちのこころ』
・昨年から取り組んでいるJAS有機栽培の『あいちのかおり』
・3年間の実験期間を経て、今年より東京、福岡、大阪の三大都市の米屋さんで
販売を予定している、ある品種の『高温耐性実験』の栽培
をメインに視察を行ってきました。
毎年このエリアに関しては様々な被害想定をしながら、苦労されて栽培しておられますが、
今年も例年通り
⓵ジャンボタニシの食害
②カメムシ対策
③高温
についての取り組み、被害状況の確認をしました。
こちらのエリアは、ほかの地域と異なり
比較的大規模農家が若い世代に引き継がれている珍しい産地で、
相場の安い時代をうまく乗り切ってきています。
生産調整補助金を収入のベースにして、米の販売をどうするのか?
になれた農業従事者が多く、今回、主食用米の不足で、政府は増えると発表していますが、
このエリアに関しては、すでに契約など信頼関係が構築されているため、
大きく栽培内容を変更する農家も少ない。
ということは、実際にはそこまでに主食用米が増産できるか?については
小規模農家が転作をやめるだけの数字と、政府備蓄米納入がない分の20万トン
ぐらいしか増えないのではないか?と予想される
現場でお話を聞くと、見えないことが見えて
大変参考になります。
21日は、滋賀県米原市の提携農家さんへ
150ヘクタールを栽培する農家さん
私がちょこっとメディアに出ていることをご存じで、がっつり質問攻めののち
取材させていただきました。
農業従事者不足と、離農への対応を並行で行わないと間に合わない現状について
お話してくださいました。
離農に関しては、今年、乾燥設備の増強で、対応できる面積にしていくとのことでしたが、
これ以上は、難しいとのこと。
琵琶湖の環境保全など、様々な制約があります。
いま採算ベースにのせ、若い農業従事者を増やすことに注力されていました。
新潟県視察
令和7年7月13日~14日
7月13日は、新潟県中馬沼軍津南町、十日町市松之山へ行ってきました。
⓵津南町
水温は平年通り16~18℃の用水とお米にとっては生育環境も良い中、
レジェンド農家が栽培する、コシヒカリBL、ゆうだい21を視察。
中山間部の割に比較的栽培環境がやや恵まれた棚田で、大規模栽培を行っていますが、
近年、周辺の離農の多さにすでに、許容範囲をまもなく超えてしまうとのこと。
これ以上の面積を受け入れるとなると、乾燥、調整設備を新設しなければならず、
その資金を工面するより、現在の経営体系、体力をしっかりとさせてからでないと、設備投資は
できないとのこと。
この先、輸入米の増大で米の相場が下がった場合、資金面で苦しくなることが容易に考えられるので
簡単に農地拡大、経営規模拡大できないと考えておられました。
②十日町市松之山
水温は18℃前後だが、すでに水に対する懸念があった。
この農家さんは、中山間部でも栽培効率の大変困難な場所ばかりを、
丁寧に栽培されている。
いわゆる『天水田』とよばれる、自然の水しか使用できない田んぼが多く、
従来種のコシヒカリをネオニコフリーで栽培。
除草に追われる毎日を送っておられます。
若手農家ですが、今後の輸入米の動向が気になるようで、
私との話を興味深く聞かれていました。
7月14日 新潟市内 燕三条付近
新之助、コシヒカリの視察。
このエリアは、比較的栽培環境のいいエリアで採算性も比較的高いのですが、
農家の高齢化は否めなく、従事者不足が目につきました。
当方の提携農家さんの圃場は、ほかの農家さんとは決定的に異なっており、
田んぼの色が一目で違う、風にそよぐ稲の状態からしても
かなり丁寧に栽培されていることがわかる。
栽培責任者の方は、自信に満ちた顔をされているのが印象的でした。
さすが、毎年高品質、良食味で仕上げてこられるだけのことはある
風景でした。
※7月中旬の新潟県概況
・収穫は平年の1週間から10日早い見込み。
・田植え期の天候不順の影響で一部稲の茎数不足が散見される
・出穂前に窒素不足に陥っている田んぼが半数程度あり、今後の生育次第ではあるが、品質と収穫量に
問題が出る可能性あり
・気温が高く、こしいぶき、つきあかり、コシヒカリBLについては顕著な高温障害の可能性あり