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​混沌

2016年11月5日

作況指数速報値で「103」

という数字が現在公表されています。本来需要と供給の関係で行くと、

相場は下がらないといけませんが、米の相場は安い品種ほど上がっています。

これは、現在の日本政府の農政によるものです。

簡単にお話ししますと、

例として「新潟県」

新潟県といえば、消費者の皆様もご存じのとおり、「コシヒカリ」の有数産地

でも、本当は、「コシヒカリ」だけを作っているわけではありません。

なぜなら、生産者サイドの問題がありまして、適正な田植え時期、適正な刈り取り時期

がある程度決まっていますので、同じ品種を作りすぎると、

作業が遅れたり、早すぎたりと、品質に影響が出てきます。

また、これだけ気象の変異が大きいので、1つの品種だと全滅の危険性もあるのです。

そのため新潟県では、「コシヒカリ」以外に

「こしいぶき」「新之助」「越路早生」「こがねもち」といった品種も作っています。

 

問題はここから

現在日本政府は「減反補助金」=生産調整に協力していただいた農家さん、農業団体さんに補助金を交付していますが、

まもなくこの制度は廃止されます。

平成27年~29年にかけては「飼料用途米」=牛・豚・鶏などの飼料

「加工用途米」=米粉原料

の生産を減反として認め、それに補助金を交付しています。

 

多くの生産者は「コシヒカリ」以外の品種の生産を抑えて、かなりの数量を「飼料用途米」「加工用途米」

生産に切り替えて、収入の安定に舵を切りました。

もちろん先述の通り、1次産業の平均年齢は67歳を超え、まもなく離農が拡大します。

その方々への「年金目的」また大規模農家さんには「TPP対策費」という形になります。

これらの結果、新品種「新之助」「コシヒカリ」以外の品種の生産数量が激減し、

コシヒカリ以外の安いお米の供給不足のための価格上昇が起こっています

これは新潟県に限ったことではなく、全国で同じことが起こっていますので、

昨年より安いお米が少なく、5㎏あたり200円程度上昇しているのが現状です。

今臨時国会でTPPが強行採決の上、批准の動きですが、
あいた安い米の層に輸入米を入れたいのが、政府の思惑かと思います。

自給率の高い食糧をあえて低くするナンセンスな農政

本当に国民の為でしょうか????

​無論、トランプ氏が大統領になれば、絵に描いた餅になるのですがね。。。(笑)

バクチ

2016年9月29日

生産者を含めて、最近の「お米」は

バクチなのです。

毎年生産者さんは1月ごろにその年植える品種、出荷先などある程度決定します。

ただ、これだけ気象条件が異常になると、どこが妥協点かは、「バクチ」なのです。

一方で米取扱業者についても、同じことが言えます。出来不出来、TPPによる輸入米の増加

不確定要素が多いんですよね。

それは、すぐに相場に反映したり、意図的に操作されたりもします。

ブランド化を目指す産地、米業者は多いのですが、結果として品質が伴わないと成立しません。

ブランド化は否定はしませんが、結果的に本当に産地にとってプラスなのでしょうか?

現在5㎏3,000円以上のお米は、全国で約5%の方が購入されています。

つまり消費量720万トンのうち36万トンが高級米市場の最大販売数なのです。


そのうち、生産者情報をしっかりと伝えることのできる米屋での販売数量は、このうちの4%~6%

つまり、14400トン~21600トン
それだけの枠しかありません。最終的に淘汰されると「ブランド」は形だけで、

TVなどで紹介され一時は売れるかもしれませんが、果たして長期的に見たときに、生産者さんは成り立つのでしょうか?

生産者サイドに関しまして、一番重要なのは「お金」ではなく「担い手」
担い手が苦労せずに安定的な農業活動ができるシステムの構築のほうが先のように感じます。

消費者の皆様におかれましては、「なるべく国産」という意識が強い中、

知らずに外国産米を消費していたりします。

「外食するときにはお店でお米について聞いてみたり」

食に対する意識をしっかり持っていただきたいと思います。

不穏

2016年9月13日

写真は、2013年11月福島県南相馬の南
原町地区。

そう、船の後ろにある煙突は福島第一原発です。

異常な気象も続いてますし、
隣の半島では「核」
そして、我が国ニッポンも地震大国なのに
原発再稼働

2016年は暴れ年の「申年」
このまま平穏に過ごせることが、大変ありがたいのですが、そうでもなさそうな雰囲気です。

台風が東北を縦断しましたが、米に関する被害は今のところ軽微なようです。(=その県の生産量を脅かす量ではない。)
ただ、問題なのは「北海道」
個々の被害情報はいまだ明確には出てきていません。これが恐ろしい・・・

さて、6月にこの天候に近いことを「コラム」のページで予測していましたが、

ほぼ予想通りになりそうな雰囲気ですね・・・

高校時代から大学時代に独学で「気象」をお勉強していたおかげで、このようなことを書いていますが、

お付き合いのある農家さんは「来年どうなるの?」と最近よく聞かれるようになりました。

正直、来年の3月、4月ごろの地球上の状態を把握しないと予測できないのです。
もちろん外れることもありますから、気象庁、気象予報士など責任のある立場の方がおっしゃる時には、

既に進行中であったりします。私の予測ではこの先10年、海水温次第で変化します。
 

今年の場合

①昨年末からインド洋の海水温が上がり、下降気流がフィリピンに行ったため高気圧が発達し、フィリピン沖での台風の発生が激減した。

②ここ近年、続いている北極海温暖化の影響で、シベリア高気圧が発達している。

が重なったためと推測しています。

 

自然相手のお仕事ですので、うまく付き合わないと仕方ないのですが、突然氷河期が来るかもしれません。

我が国ニッポンで安心して暮らしていけるのでしょうか?

実質農業自給率60%前後、ほとんどの1次農産物は海外にお世話になっています。

食糧危機が起きるまで、消費者の皆様は「食糧」を大切にしないのでしょうか?

 

新米シーズンスタート でもね??

2016年9月3日

今年も全国各地の生産地へ訪問していますが、
消費者と生産者の方向性が一致していません。

かたや「ブランド」

かたや「補助金目的のエサ米生産」

消費者サイドは、一部を除いて所得が上がらずまたデフレ傾向になりつつあります。
27年産のお米の購買価格帯は

1700円以下が約67%という数字。

しかしながら米の相場は、現状7月のコラムの通りに上げ相場で推移しています。

実体経済と伴わない動きが大きいという事です。これは「米離れ」を誘発します。

この状況下で政府は秋の臨時国会でTPPを批准する動きを見せようとしています。

もちろん、米が安すぎるのは問題ですが、日本の主食「米」の在り方を消費者の皆様も考えないと、

取り返しのつかないことが発生します。

すでに外食産業は、輸入米の確保に動いている情報があります。

実際、8月末の相場で、台風があれだけ上陸しているのにもかかわらず、米の相場に関しては動きがない=

大手企業は日本の米でなくてもよい という風にとれるのです。

新米シーズンまもなく到来 その2

2016年7月21日

まもなく本格的な出荷が、

鹿児島、宮崎、佐賀、高知とはじまります。

消費者の皆様が一番気になるお値段

全体的には27年産と比べ

5kgあたり50円~120円上がる見込み

です。

とはいえ、売買価格が決定していません

ので一概には言えませんが、

いまのところそんな感じで推移しています。

私の予想ですと、このまま主食用米の

生産量を減らしながら、平成30年産まで

じわじわ価格を上げていきたいのが、

政府、卸売、JAの考えかと思っています。

新米シーズンまもなく到来

2016年7月13日

まもなく、旬のシーズンがはじまります!

毎年わくわくするこの季節

今年はどんな出来で仕上がってくるのか

楽しみです!!

さて、以前コラムに書いたように、

本年28年産の品質は「ラニーニャ」

の影響次第というのが現状です。

関東の水不足

信越・東北エリアの積雪量の少なさ

がキーポイントになる見込みです。

高温に強い品種に関しては、

おそらくここ2年より良い出来になる見込み

渇水に不作はあまりないので、

南東北以南の数量的には確保できると

思っていますが、

問題は、北海道、北東北の雨次第ですね。

今年もあれそうな展開です・・・

このままでいいの?

2016年7月1日

TPP批准後、政府は外国からの輸入量を7.84万トン増加させるとの事。


はたしてそれだけで済むかは疑問です。

実際のところ、

交渉内容は公表されておらず、批准後新たに分かってくる内容が本当に怖い気がします。

公表されている7.84万トンの枠に

従来のミニマムアクセスを加えると

ざっと85万トン
先述の消費量減少、生産量減少により、

外国産米の比率が必然的に上がってきます。

どうなる?

日本の米

 

28年産品質が心配

2016年6月23日

今年春まで続いた「最大のエルニーニョ」(=冷夏・暖冬)から一転、

ラニーニャ現象(=猛暑)

が発生する予想です。

お米にとって、どちらの現象も大変です。

28年産は

30%高温障害

の予想をしていますが、気になるのは北東北~北海道の生産量は全体の

20.5%

ここが、梅雨が明けないとなると

かなりで収量の減少が考えられます。

​今後の天気、気になります。

​国民1人あたりの米消費量 

2016年6月21日

日本国民の米消費量は、現在

1日お茶碗2杯

のごはんしか食べられていません。

この数字は、外食・中食
を含んだ数字ですので、

家庭での消費となるとかなり

減少していることが理解できます。

それだけ、核家族化が進み、

少子高齢化も進んで、

さらに、女性の社会進出が増えた

という表れなのかもしれません。

​大阪の末端経済 

2016年6月18日

大阪の経済状態は、実際こんなに悪いんです。

さて、この市場動向の中、左記のとおり

エンゲル係数が25%を超えたとのこと。

この数字は高いほど、貧困であるとされる数値です。ここで、一番初めに削減されるのが、エンゲル係数の分子である食費。しかし、外食も含まれますので、実質どこまで圧縮できるか疑問です。

普段の食費を抑えて、外食には使う方もいらっしゃれば、それさえも苦しいという方もおられます。

実際のところ、一番削減しやすいのは、

「携帯電話」

携帯電話で、おなか一杯にならないでしょ?

 

「消費増税」

 

「非正規雇用」

この国は、国民を守る気があるのでしょうか?

​米屋は激減 

2016年6月17日

私がいます大阪には昔、約2000軒の

「米屋」があったといわれています。

現在大阪府内で約500軒前後、

このあと数年で高齢化、後継者がいない為

おそらく100~200軒前後になる見込みです。

ちなみに数年前に

山口県から「米屋」が消滅

したそうです。

 

また一方で、改正食糧管理法以降、

大手流通業界での販売

また、食管法廃止以後

許可制→登録制になってさらに大幅に販売する業者が増えた。

米屋さんはそうして、減少していったという事です。

今、元気な米屋さんは、おそらく残るでしょうが、

今後の政府の動き次第では、

疑問符がついてくるかもしれません。

​三井住友銀行

農業参入 

2016年6月16日

6月15日の報道にありました、

「三井住友銀行」の農業参入

以前より、商社の農業参入は想定していましたが、

「銀行」が参入したのは意外でした。

おそらく理由は、

「投機目的」

公定歩合-0.1の日銀当座残高金利、日本国債への不信感(=三菱東京UFJが国債購入権を返上といった金融界での不信感 もちろんそれ以上の外的要因が発生すると国債は買われますが。。。)、預貸率の悪化、など銀行は資金をだぶつかせています。

そこで、実物資産の生産に投資をし、万一の
日本国債のデフォルトや、外的要因の大きい

市場からのリスクヘッジをしたというのが、

表向きの要因かとおもいます。

​ふるさと納税 

2016年6月14日

昨年来より「ふるさと納税」の返礼品について
何かと世間で騒がれてますが、我々の業界も、ある意味影響が出ています・・・・

たとえば、魚沼コシヒカリの数量が足りないとか・・・・
販売価格5㎏2500円以上のお米に関しては、特に「ふるさと納税」の影響がでていますね。
おそらく、肉・魚でも同じなんでしょうね・・・

本来、故郷に税金を納付することで、過疎化で税収の落ち込んだ地方都市を少しでも活性化することが
目的のはずだったような・・・それだけでいいのではないでしょうか?

 

「ふるさと納税」=税務上の寄付行為

 

でそれに対するお礼、という形に変化してきているように思えます。

この影響で、所得税、実際居住する市町村は、税収が減少しますよね・・・・

そこに、法人税減税と消費税増税??(まぁ延期にはなっていますが)
それなら、ちゃんと税金を納めてもらって、地方交付金で所得の再分配をすればいいこと・・・

不思議な話です・・・・

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