
令和7年産スタート
令和7年8月9日
令和7年新米シーズンが始まりました。
そのさなか、メディアは渇水による収獲量減少を危惧する報道がされていました。
米の民間価格は、株式でいうと『FX』のようなもので、風評、世の中の動静でも
価格変化が起きやすい相場です。
収穫量が確定する11月中旬にならない限り、需給のバランスは不明で、
いまこの議論をするよりは、一番大きな問題である、「生産者の平均年齢をどう下げるか?」
を国会、メディア、消費者の皆様で考えていかないと、
すでに手遅れをさらにもっと酷い状況になることを再認識していただきたく思う。
また現在政府は、増産を宣言していますが、日刊ゲンダイさんでも書いていただきましたが、
『絵に描いた餅』なのです。
正しい情報、現場の取材を蓄積していっていますので、
今後の取材などでお話していければと思います。
価格高騰 その先は?その2
令和7年4月18日
3月末から始まった備蓄米放出、しかしながら今回の放出は、買い戻し条件が付いていることをご存じ
だろうか?
今回全農を中心とした集荷業者が、備蓄米の入札を行ったが、落札分の数量を7年産で
返却することが条件となっている。先日江藤農水相が、8月までの段階的放出を発表したが、
第3回の放出予定量10万トン、+αでおそらく総数50万トン程度が放出されるとみられているが、
その数量を7年産の主食用から回収されるということ。
一方で、主食用米作付面積の増加が2万ヘクタールと発表されたが、生産量として10万トン程度の増加
のため、返却分を考えると40万トン主食用が不足する計算となる。
また、4月の段階で既に生産地において、飲食チェーンなどが7年産の買取交渉をはじめ、高値での買取を行っていることが取材により判明している。
ということは、相場の高止まりは想定できる。
ここで、万が一令和7年夏までにスーパー、量販店の商品棚からコメが消えたら
話はもっとややこしくなる。
令和6年産の高騰は消費者のパニックが生み出したものでもあることを認識する必要があるし、
もちろん、メディアの報道にもかなり問題がある。
それはさておき、パニックを起こすことで一気に需要が増えてしまう結果になる=需要が高い=高価格
の図式がまた成り立つことを理解すべきだ。
十分に供給体制が整っていない中、短期的に不足を解消するには輸入米しかない。本当に残念な話だ。
本来、生産者を守る為にどうすればいいかを考えるべきことが、日本政府にはないのか?と思ってしまう。
今回の米不足をきっかけに、この国の農政を抜本的に変えていくことが必要である。
最終的に特売商品が5㎏3000円で消費者が納得してくれる状況になるか、それともそれ以上に価格を
安く推移させる代わり農家保護の政策をうちだすか?
今の政府には、前者の選択にし、放置することの可能性が高いと思う。
なぜなら、昨年11月の財務省レポートに、農水予算については削減の方向性、不足すれば
輸入のほうがコストが安いという理由付けだからだ。この根本体質が変わらない限り、農業現場は
何も変わらないで、農業従事者の高齢化の波におされ、生産量は今後10年で激減するだろう。
その時、やっと事の重大性に気付いても手遅れを通り越して、絶望になる。
日本国民の皆様、それでいいんですか?
価格高騰 その先は?
令和6年10月27日
さて、価格高騰したまま推移しているコメ業界
結局、卸売業者、集荷業者、商社など、さまざまの業態が、農家さんの庭先で米を集める活動
をし、農協の集荷率が過去にないぐらい低下しています。
民間相場と、農協の概算金の差額が大きかったため、かなりの数量が民間市場に流れてしまい、
農協としても集めないわけにいかないので、概算金をUPさせました。
これにより、消費減が発生しても、大幅な価格の下落はないことが確定してしまいました。
また、農協と契約している卸売業者は、農協の集荷率減少に伴い、契約数量についてもその割合に応じて
数量の調整が行われ、30~45%の契約数量減という状況になり、コメの在庫を持つ業者がこのあとの
カギを握る形になり、相場操縦できる状況になっています。
つまり、例年と比べて米販売業者が新たに仕入れを行うには、自由に動いているお米が市場に少ない状況
となり、在庫をもっている業者が強い状態になっています。
この状態は、一般消費者の購買行動次第で多少は緩む可能性はあるものの、コメ相場全体を動かすほどの
数量もないため、令和6年産については、価格が高水準のまま推移すると考えられます。
令和7年以降については、需給バランス次第ではありますが、今後10年以内で顕著になる生産者の減少
スピードが、供給量に対してどう動くかがポイントになると考えます。